非住宅建築で行う地盤補強・改良工事とは?住宅との違いを解説

非住宅建築では、建物の規模や用途によって地盤へかかる荷重が大きく異なります。

そのため、住宅で採用される地盤補強工法とは異なり、建物の用途・規模・地盤条件に応じた適切な地盤補強計画が重要になります。

特に工場や倉庫、店舗、事務所、福祉施設などでは、不同沈下が発生すると建物だけでなく設備や事業運営にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

また、非住宅建築は一度完成すると長期間にわたって使用されるケースが多く、地盤に問題が発生すると修繕費用だけでなく、営業停止や操業への影響など大きな損失につながることもあります。
そのため、建築前の地盤調査を適切に行い、建物に最適な地盤補強工法を選定することが、安全性と資産価値を維持するうえで非常に重要です。

この記事では、非住宅建築で行う地盤補強とは何か、住宅との違い、代表的な工法、施工時のポイントについて詳しく解説します。

非住宅建築の地盤補強とは?

建物を安全に支えるために行う重要な工事

地盤補強とは、軟弱地盤の支持力を高め、建物を安全に支えられる状態へ改善する工事です。

地盤調査の結果、建物を十分に支えられないと判断された場合に実施されます。

軟弱地盤のまま建築すると、

不同沈下
建物の傾き
床のひび割れ
設備への悪影響

などが発生する恐れがあります。

そのため、建物の規模にかかわらず、地盤調査の結果に応じた適切な地盤補強を行うことが重要です。

非住宅建築ではより高い支持力が求められる

住宅では木造2階建て程度が多い一方、非住宅建築では、工場、倉庫、店舗、事務所、医療施設、福祉施設、中低層ビルなど、建物の重量や用途はさまざまです。

さらに、大型機械や重量物を設置する施設では、通常の住宅以上の荷重が地盤へかかります。

そのため、住宅よりも高い支持力を確保できる工法が採用されるケースも少なくありません。

非住宅建築と住宅の地盤補強の違い

建物荷重が大きく異なる

住宅では建物重量が比較的軽いため、表層改良や柱状改良などで対応できるケースもあります。

一方、非住宅建築では、建物重量設備荷重車両荷重なども考慮する必要があります。

そのため、より支持力の高い杭工法や大型の地盤補強工法が採用されることがあります。

建物用途によって設計条件が変わる

例えば、工場、倉庫、商業施設、医療施設では、それぞれ求められる性能が異なります。

重量物を扱う工場では沈下を最小限に抑える設計が求められますし、物流倉庫ではフォークリフトなどの走行荷重も考慮しなければなりません。

建物用途まで踏まえて工法を選定することが重要です。

地盤補強工法の選択肢が多い

住宅では対応できる工法が比較的限定されますが、非住宅建築では、

・表層地盤改良
・柱状改良
・鋼管杭
・小口径鋼管杭
・各種基礎杭工法

など、建物や地盤条件に応じてさまざまな工法を選択できます。

非住宅建築で採用される代表的な地盤補強工法

表層地盤改良工法

軟弱地盤が比較的浅い場合に採用される工法です。

地盤へセメント系固化材を混合し、支持力を高めます。

比較的短工期・低コストで施工できるため、小規模店舗、平屋施設、小規模事務所などで採用されることがあります。

一般的には軟弱層が地表から約2m以内の場合に適しています。

柱状改良工法

セメント系固化材を用いて柱状の改良体を地中に築造する工法です。

住宅だけでなく、小規模な非住宅建築でも広く採用されています。

比較的大きな荷重にも対応できるため、用途に応じて選択されます。

小口径鋼管杭工法

支持層まで鋼管杭を圧入する工法です。

軟弱地盤が深い場合や、柱状改良では対応が難しいケースで採用されます。

特徴として、

高い支持力
低振動・低騒音
残土が少ない
狭小地にも対応しやすい

といったメリットがあります。

中低層ビルや鉄塔などにも採用される工法です。

地盤調査が重要な理由

どれほど優れた工法でも、地盤の状態を正しく把握できなければ最適な工法は選べません。

そのため、まずは地盤調査を行い、土質、支持層の深さ、地耐力、地下水位などを確認したうえで補強方法を決定します。

出雲建設でも、住宅だけでなく非住宅の地盤調査・地盤補強・地盤改良まで一貫対応しており、建物や地盤条件に合わせた工法を提案しています。

非住宅建築で地盤補強が必要になるケース

非住宅建築では、建物の規模や用途によって地盤へかかる荷重が大きく変わります。

そのため、住宅では問題のない地盤でも、非住宅では補強が必要になるケースがあります。

工場・倉庫を建設する場合

工場や倉庫では、大型機械重量物の保管フォークリフトの走行などにより、住宅よりも大きな荷重が地盤へかかります。

そのため、地盤調査の結果によっては、鋼管杭工法や柱状改良工法など、高い支持力を確保できる工法が採用されることがあります。

店舗・事務所を建設する場合

店舗や事務所では、人の出入りが多く、建物を長期間安全に使用する必要があります。

不同沈下によって、

・ドアが閉まらない
・床が傾く
・外壁へひび割れが入る

などの不具合が発生すると、営業や業務へ支障をきたす可能性があります。

福祉施設・医療施設を建設する場合

福祉施設や医療施設では、安全性が特に重要になります。

建物がわずかに沈下しただけでも、

・バリアフリー性能の低下
・設備への影響
・利用者の安全性

などへ影響する可能性があるため、建築前の地盤調査と適切な地盤補強が欠かせません。

地盤補強工法を選ぶポイント

地盤調査結果をもとに判断する

地盤補強は、「一番安い工法」ではなく、

「その土地に最適な工法」を選ぶことが重要です。

例えば、軟弱層の深さ、地耐力、地下水位、建物荷重などによって採用する工法は変わります。

そのため、まずは地盤調査を実施し、その結果を踏まえて工法を決定します。

将来的な建物利用も考慮する

非住宅建築では、将来的な設備増設、レイアウト変更、増築などが行われるケースもあります。

長期的な運用まで見据えた地盤補強計画を立てることが大切です。

コストだけで判断しない

地盤補強工事は費用も気になるポイントですが、価格だけで判断することはおすすめできません。

必要な補強を行わなければ、不同沈下、修繕工事、営業停止など、大きな損失につながる可能性があります。

適切な工法を選ぶことが、結果としてコスト削減につながるケースも少なくありません。

非住宅の地盤補強に関するよくある質問

非住宅では必ず地盤補強が必要ですか?

必ず必要というわけではありません。

まず地盤調査を行い、その結果に応じて補強の要否や工法を判断します。

非住宅と住宅では工法は違いますか?

基本的な工法は共通していますが、非住宅では建物荷重や用途に応じて、より高い支持力が求められる工法が採用されることがあります。

地盤調査から依頼できますか?

はい。

一般的には、

・地盤調査

・工法提案

・見積もり

・地盤補強工事

という流れで進みます。

出雲建設でも調査から施工まで一貫対応しています。

まとめ

非住宅建築では、住宅以上に地盤補強の重要性が高くなります。

工場や倉庫、店舗、福祉施設などは建物荷重が大きく、用途によって求められる性能も異なるため、地盤調査の結果をもとに最適な工法を選定することが重要です。

また、地盤補強は建物完成後には見えなくなる部分ですが、安全性や耐久性を支える重要な基礎工事です。

非住宅建築をご計画中の方は、豊富な実績を持つ専門業者へ相談し、建物や地盤条件に適した地盤補強計画を進めることをおすすめします。

関連記事